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皆さんこんにちは!
遠機設備、更新担当の中西です。
1. なぜ“支持”が品質の8割を決めるのか 🧭
漏水や騒音、溶接割れの多くは支持の不足/過多/偏りが根本原因。支持は配管だけでなく、天井下地・梁・床スラブとの力のやり取りを設計する仕事です。自重+流体+断熱+付帯品+動荷重(水撃・熱膨張・地震)を見込み、許容たわみと保守空間を同時に満たす必要があります。🧮
2. 支持方式の選定と配置 📌
• ハンガー(吊り):天井懸垂。スプリング・ゴムで防振可。支持ピッチは材質・径・内容物で変化。
• サドル/バンド:壁・床固定。滑り/固定/ガイド/アンカーを使い分け、膨張を逃がす。
• 架台/ラック:多系統をまとめる共用支持。工場製作でプレハブ化が効果的。
• スライド/ローラー:長尺配管の熱膨張を追従。🔥
配置原則: – エルボ直前直後、バルブ両側、フレキ前後には補助支持。重量物(ストレーナ・弁)は独立支持。 – 伸縮継手はアンカー—ガイド—スライドの三点セットで設計。📏
3. アンカー・インサート・あと施工 🧱
• 先付インサート:荷重・打設厚・躯体鉄筋と干渉確認。施工前に引張試験の要否判断。
• あと施工アンカー:回転打込み/ケミカル/アンダーカット。穿孔粉塵清掃→接着剤充填→固化時間を厳守。
• 縁端距離・間隔の不足は荷重低減やプレート増設で補正。🧰
4. 荷重計算と部材選定 📐
• 設計荷重 = 自重 + 内容物 + 断熱 + 積雪/保守荷重 + 動荷重(地震・水撃)。
• 部材は許容応力度と座屈で確認。ねじ棒は座屈長さに注意、チャンネル/形鋼はたわみと取付ピッチを同時検証。
• 共鳴を避けるため、固有振動数を対象機器の励振周波数から離す。📊
5. 防振設計:騒音・振動・水撃対策 🎧
• ポンプ・冷凍機・空調機はばね/ゴムの支持点数と荷重配分を一致させる。
• 防振架台は質量と剛性のバランス。配管はフレキで機器と切り離し、ガイド支持で揺動を制御。
• 水撃はアレスタ設置・開閉速度制御・支持剛性UPで抑制。💥
6. 耐震・制振:コードと実務 ⚠️
• 吊り配管にはブレース、立管にはストラップ。層間変位と落下方向を想定した配置。
• 消火・ガスは法令の耐震要件を満たす認定金具を使用。アンカー引抜き値の証跡を台帳化。
• 継手直近に固定支持を置き、曲げモーメントを逃がす。🧷
7. 施工標準:現場での決定版手順 🧩
1) 墨出し:通り芯・レベル・障害物を反映し、ハンガー通りを確定。
2) 先行支持:共用架台→大径→小径の順。ガイド/スライド/固定の機能をマーキング。
3) 吊り下げ:ねじ棒長さの余裕とレベルを管理。ナット二丁掛けで緩み防止。
4) 断熱前検査:締結部・焚き色・打刻・ガスケットの露出確認。📸
8. トラブルと是正 🧯
• きしみ音→スライド不足、潤滑、バンド過締め。テフロンライナーやローラー支持に変更。
• ポンプ配管割れ→固定点と伸縮継手の位置不良。アンカー—ガイドの再配置。
• 天井のたわみ→荷重過多。荷重分散プレートや梁への吊替で是正。🛠️
9. 検査と記録 ✅
• 引張/せん断試験の成績、アンカー写真(穿孔深さ・接着剤ロット・固化時間)。
• 支持間隔・レベル・機能(固定/ガイド/スライド/防振)のラベル表示。
• 熱膨張計算書と支持機能表を図面と一体管理。🗂️
10. まとめ ✍️
支持は配管の見えない設計。荷重・振動・膨張の三点を押さえ、固定—ガイド—スライド—防振—耐震を組み合わせれば、長寿命で静かな設備が実現します。次回はルーティング設計へ。🧭
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