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第17回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!

遠機設備、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

 

配管工事というと、建物内外の水道管・ガス管・空調配管などを設置する“裏方”のイメージを持たれがちですが、実はこの分野は近年、劇的な多様化と高度化を遂げています。現代社会の多様なニーズに応じて、配管工事は「建築設備の骨格」から「先進産業の支援装置」へと役割を広げており、その現場は今、技術革新と対応力が求められるダイナミックなフィールドとなっています。

配管工事の多様化がどのように進んでいるかを、現場・技術・材料・分野横断の観点から深く掘り下げます。


1. 分野別の配管ニーズの多様化

かつては主に給排水・空調・ガスの配管が中心でしたが、今では業種ごとに異なる機能と規格に対応した多様な配管工事が必要とされています。

▪ 医療・製薬分野

  • 無菌環境に適したステンレス配管

  • 薬液・純水ラインの溶接施工(オルビタル溶接)

  • クリーンルーム仕様の気密性配管

▪ 食品工場・飲料製造

  • 食品衛生法準拠の衛生配管

  • CIP(定置洗浄)対応パイピング

  • 温水・冷却水・蒸気配管の複合整備

▪ 半導体・精密機器分野

  • 超純水・高純度ガス・真空配管

  • クラス1000以下の清浄度が求められる施工管理

このように、配管工事は単なる「つなぐ工事」ではなく、その施設の業務・製品・環境に合わせた“機能設計”と“技術力”が問われる時代へと進化しています。


2. 材料・継手・施工法の多様化

配管で使用される材料や接合技術も著しく進化し、多様な現場に対応できるようになっています。

▪ 配管材料の選択肢の増加

  • 鋼管(白ガス、黒ガス)、銅管、塩ビ管、架橋ポリエチレン管

  • ステンレス(SUS304/316)やフッ素樹脂ライニング管

  • 耐薬品性・耐熱性に優れた特殊合成樹脂管(PVDF、PPなど)

▪ 接合技術の革新

  • フランジ接続・ねじ接合に加え、溶接(TIG、アーク)、拡管、溶着、メカ継手など多様化

  • 特にオルビタル自動溶接は高品質な施工が要求される医療・半導体業界で重宝される

▪ 工期短縮技術の導入

  • プレハブ配管の現場施工導入により工程の効率化

  • BIMデータ連携による事前干渉チェックとルート最適化

このように配管工事は、素材・接続・設計から現場管理まで一貫した高度な統合施工力を求められる分野となっています。


3. スマート化・デジタル化への対応

近年の建築・設備分野全体で進むスマート化により、配管工事の世界もデジタル技術の導入が進んでいます。

  • 3DスキャナーやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した配管設計・干渉回避

  • 施工記録のデジタル管理やトレーサビリティの確保

  • 点検や漏水検知にセンサーを活用したスマート配管システム

これにより、従来では「目視・経験」に頼っていた工程が、より正確・安全・効率的に管理されるようになってきています。


4. 環境・エネルギー対策としての役割の拡大

配管はエネルギーインフラの一部でもあり、その効率性や環境負荷軽減にも大きく関与しています。

  • 断熱性能の高い配管による省エネ化

  • 再生可能エネルギー設備との連携配管(地中熱、太陽熱、バイオマス)

  • 雨水・中水利用システムの整備

また、配管からの微細な漏れや熱損失が長期的なエネルギー損耗に直結するため、高精度な配管施工は脱炭素社会への基盤整備にもつながるのです。


5. サービスの多様化とライフサイクル対応

配管工事業者の業務も「施工」に留まらず、以下のように拡張しています。

  • 設計・調査・見積もり支援

  • 劣化診断・修繕計画立案

  • アフター点検・24時間対応の緊急保守

  • リノベーションや老朽配管更新の提案

これにより、単発型から長期的な施設管理パートナーへの転換が進んでおり、信頼性と継続性が付加価値として求められるようになっています。


配管工事は“産業の血管”から“未来のインフラ”へ

配管工事の多様化は、単に現場対応の幅が広がったというだけではありません。そこには、高度な技術・設計力・環境対応・デジタル運用・専門性の融合が求められています。

つまり、配管工事はもはや“建物の裏方”ではなく、社会と産業の循環を守り、次世代のライフラインを構築する先端分野となっているのです。

配管の先に流れているのは、単なる水やガスだけではありません。その“管の先”には、人々の暮らしと経済の未来がつながっているのです。

 

 

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